基本情報は何時間勉強すれば受かる?シラバス399項目から逆算する

検索すると「150〜200時間」という数字がどこにでも出てきます。ところが、 その数字がどこから来たのかを書いているサイトはほとんどありません。 実際、IPAは勉強時間の目安を公表していません。ここでは目安を紹介したうえで、 出題範囲を実際に数えて自分の時間に翻訳する方法まで解説します。

まず前提:IPAは「何時間」を公表していない

基本情報技術者試験を実施しているIPAが出しているのは、出題範囲(シラバス)と試験の構成であって、 合格に必要な勉強時間ではありません。「150〜200時間」は各サイト・各予備校の経験則で、 一次情報に裏付けのある数字ではないと理解しておくのが出発点です。

とはいえ目安がゼロだと計画が立たないので、まず一般的に言われている数字を置き、 そのうえで「自分の場合はどうか」を検算する道具を渡します。

レベル別・勉強時間の目安(一般に言われている値)

開始レベル総勉強時間の目安ポイント
IT未経験150〜200時間用語とアルゴリズムに慣れる時間を厚めに。
基礎知識あり100時間前後科目B(アルゴリズム)の演習を中心に。
実務経験あり50時間程度過去問で出題形式に慣れれば十分なことも。

※IPAの公表値ではなく、広く言われている一般的な目安です。個人差が非常に大きい数値で、得意・不得意で上下します。

数えた:出題範囲は「399項目」ある

時間の目安を自分の学習に翻訳するには、範囲がどれだけ広いのかを知る必要があります。 IPAが公開しているシラバス(Ver.9.2・2026年1月8日公開)のPDFを開いて数えると、 出題範囲はこう構成されていました。

単位
大分類(基礎理論〜企業と法務)9
中分類23
小分類95
学習項目399

※IPAが「399項目」と公表しているわけではありません。シラバスPDFの本文から、 各中分類の小分類と、その下にぶら下がる学習項目(「(1)基数」「(2)数値の表現」…)を 当サイトが数えた集計です(2026-08-07 時点・Ver.9.2)。

分野別に分けると、偏りがはっきり出ます。

分野中分類小分類学習項目項目の割合
テクノロジ系 13 52 246 62%
マネジメント系 3 18 74 19%
ストラテジ系 7 25 79 20%
ここが効きます:学習項目の約6割がテクノロジ系に集中しています。 裏を返すと、マネジメント系とストラテジ系を合わせても4割弱。 分野ごとの取りやすさと優先順位は 科目Aの頻出分野 で整理しています。

※このシラバス1冊が科目Aと科目Bの両方の範囲を示しています(科目A専用ではありません)。 また、項目の重みは均等ではなく、1項目で何時間もかかるものと数分で終わるものが混在します。

目安時間を「1項目あたり」に割ってみる

範囲の広さが数字になったので、よく言われる目安時間を割ってみます。

総勉強時間399項目で割ると
150時間1項目あたり約23分
200時間1項目あたり約30分
100時間1項目あたり約15分

1項目に30分もかけられない——これが「150〜200時間」の実際の中身です。 参考書のページをじっくり読み込み、用語をノートにまとめ、という進め方をすると、 この予算はテクノロジ系の途中で尽きます。

だから定石は「読み込む」ではなく「問題を解いて、間違えたところだけ戻る」。 目安時間の中身を見ると、遠回りをする余裕がそもそも無いことが分かります。 具体的な進め方は 合格までのロードマップ にまとめています。

もう一方から検算する:演習に何時間かかるか

インプット側から割ったので、今度はアウトプット側から積み上げて検算します。 IPAから入手できる問題数は、当サイトで数えてあります。

教材問数目安の所要時間
科目A向け(旧・午前を含む公開分すべて)1,900問
うち「5年分」と言われる範囲(10回分)800問約40時間
うち「3年分」(6回分)480問約24時間
科目B(IPA公開分すべて)50問約10時間(1問5分×解き直し)

※問数の数え方と根拠は 過去問は何年分やる?(1,900問)科目Bの過去問は50問だけ に書いてあります。時間は解答+見直しの概算です。

過去問3年分+科目B全問で約34時間、5年分なら約50時間。 未経験の目安200時間から引くと、インプットに使えるのは150時間前後という配分になります。 これを399項目で割ると1項目あたり約23分。2つの方向から割った数字が同じくらいに落ち着くので、 目安としては一応筋が通っている、と判断できます。

なぜ時間の「幅」がこんなに大きいのか

同じ未経験でも、数学やロジックに慣れている人と、まったく初めての人では、科目Bにかかる時間がまるで違います。 399項目のうち、すでに知っている項目が何個あるかが人によって違うからです。 実務経験者の「50時間」は、範囲が狭いのではなくスキップできる項目が多いという意味です。

勉強時間はあくまで「ゴールまでの距離の目安」であって、 必要時間そのものが人によって変わる点に注意してください。

科目Bには「時間の上限」がある

科目Aは問題が1,900問あるので、時間をかければかけるほど演習量が増えます。 ところが科目BはIPAが公開している問題が全部で50問しかありません(本番およそ2.5回分)。

つまり科目Bは、時間を積んでも演習量が増えない科目です。 3周目に入ると答えを覚えてしまい、正答率が上がっても実力の指標になりません。 「科目Bに何時間割くか」で考えると必ず行き詰まるので、 「50問をどう使い切るか」で設計してください。

「では科目Bに何時間か」の答え方科目Bの対策時間は何時間?(50問を時間に換算) にまとめました。 50問の内訳と少ない問題数で仕上げる進め方は 科目Bの過去問は50問だけ/ 解き方の型は 科目Bの解き方

取材でわかった「量が正義ではない」現実

当サイトの取材では、印象的なケースがありました。約1年・平日2時間+休日2〜3時間とたっぷり勉強した人が不合格で、 約3か月・「気分で平均10問ほど」とゆるくやった人が合格したのです。

詳しくは → 受かる人と落ちる人の差。 量をかけたのに届かなかった人のリアルは "あと45点"で落ちた話 で。

ここから言えるのは、「時間をかければ受かる」わけではないということ。目安時間は計画の出発点にしつつ、 中身(とくに科目Bの演習)を意識してください。

自分の試験日から逆算する

目安の総時間が決まったら、試験日までの日数で割って「1日あたり」に落とし込むと一気に現実的になります。 すでに勉強した時間を差し引き、週に勉強できる日数も加味した計算は、ツールで自動化しています。

勉強時間の逆算ツールで「1日あたり何時間必要か」をその場で計算できます。

計算した結果が「1日5時間」のように現実離れした値になったら、 試験日を後ろにずらすほうが合理的です。基本情報は通年で随時実施されているので、 申し込み前なら日程の自由度があります(申し込み後の変更・返金の扱いは 申し込みと受験料 を参照)。

まとめ

  1. IPAは勉強時間を公表していない。「150〜200時間」は経験則であって一次情報ではない
  2. シラバス(Ver.9.2)を数えると中分類23・小分類95・学習項目399。約6割がテクノロジ系
  3. 200時間を399項目で割ると1項目あたり約30分。読み込む余裕は無く、問題から入るしかない
  4. 過去問側から積むと3年分+科目B全問で約34時間。残りがインプットの予算になる
  5. 科目Bは50問しか無い=時間を積んでも演習量が増えない。時間ではなく使い方で設計する

よくある質問

毎日2時間で、何日くらいかかりますか?

総勉強時間を200時間とすると、1日2時間なら単純計算で100日です。ただし休みの日もあるため、実際に勉強できる日数で割る必要があります。試験日と週の勉強日数を入れれば、勉強時間の逆算ツールで自動計算できます。

短期間(1か月など)でも間に合いますか?

基礎知識や実務経験がある人なら現実的です。未経験から1か月は、1日あたりの負荷がかなり高くなります。取材では未経験でも約3か月で合格した例がある一方、量をかけても落ちる例もあり、時間より「科目Bの演習の質」が効くのが実情です。

勉強時間の記録はつけたほうがいいですか?

時間そのものより「シラバスのどこを終えたか」を記録するほうが役に立ちます。時間は増える一方で減らないので、残りがどれだけあるかが分かりません。中分類23個のうち何個を通したか、といった単位で数えると、残量と進捗の両方が見えます。

科目Bにはどれくらい時間を割けばいいですか?

時間で決めにくい科目です。IPAが公開している科目Bの問題は全部で50問しかなく、時間を積んでも演習量が増えないためです。「何時間やるか」ではなく「50問をどう使い切るか」で設計するほうが実態に合います。

学習項目399という数字は試験の問題数と関係ありますか?

直接の対応はありません。399はシラバスに載っている学習項目の数で、科目Aの出題数は60問です。1項目1問という対応関係ではなく、複数の項目が1問にまとまることも、まったく出題されない項目もあります。あくまで範囲の広さを測る目安として使ってください。

出典・ご注意

シラバスの大分類9・中分類23はIPAが明記している区分ですが、小分類95・学習項目399という件数はIPAの公表値ではなく、当サイトがVer.9.2のPDFを数えた集計です(2026-08-07 時点)。シラバスは改訂されるため、件数は今後変わります。また勉強時間の目安(150〜200時間など)はIPAの公表値ではなく一般に言われている値で、個人差が非常に大きい数字です。合格を保証するものではありません。

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