基本情報 科目Bの対策時間は何時間? 50問を時間に換算して決める

「基本情報は全部で150〜200時間」という数字はいくらでも出てくるのに、 「科目Bだけで何時間か」を探すと急に見つからなくなります。 たまに見つかる数字も「20〜30時間」「50〜60時間」とばらつき、どれも根拠が書いてありません。 理由ははっきりしていて、科目Bは時間で測れる科目ではないからです。 代わりに測れるもの——手に入る問題の総量——を時間に換算して、対策時間を自分で決められる形にします。

結論:科目Bの持ち時間は「50問をどう使うか」で決まる

いま必要なのが「試験本番の100分をどう配るか」なら 本番の時間配分へ、 「自分はあと何時間積むべきか」なら どこで落ちているかで変わるへ飛んでください。

前提:IPAは「科目Bに何時間」を公表していない

基本情報技術者試験を実施しているIPAが公表しているのは、出題範囲(シラバス)と試験の構成までです。 科目A・科目Bを合わせた勉強時間すら公表していないので、 科目B単体の目安時間はなおさら一次情報が存在しません

検索して出てくる「科目Bは20〜30時間」「50〜60時間」といった数字は、 書いた人の受験記録や指導経験にもとづく値です。参考にはなりますが、 どんな解き方を前提にした時間なのかが書かれていないため、そのまま自分に当てはめても計画になりません。 同じ「30時間」でも、解説を読むだけの30時間と、トレース表を書く30時間では中身がまるで違います。

試験全体の勉強時間についても同じ問題があります。「150〜200時間」に一次情報の裏付けが無いことと、 その代わりにシラバスを数えて範囲の広さを測る方法は 何時間で受かる?(シラバス399項目から逆算) に書きました。

数えた:科目Bの教材は「約4時間」で尽きる

時間の目安が無いなら、教材の総量のほうを測ります。 IPAが公開している科目Bの問題を数えると、2026年8月3日時点で次のとおりでした (2026年8月16日に増えていないことを再確認しています)。

入手できるもの問数
科目Bのサンプル問題(2022年公開)6問
サンプル問題セット(2022年12月公開)20問
令和5年度 公開問題6問
令和6年度 公開問題6問
令和7年度 公開問題6問
令和8年度 公開問題6問
合計50問

※IPAが「50問」と公表しているわけではありません。公開問題ページに載っている解答例(問番号の一覧)を 当サイトが数えた集計です。数え方の詳細は 科目Bの過去問は50問だけ に書いてあります。

ここからが本題です。この50問を本番と同じ速さで解いたら何時間かかるかを出します。 科目Bは20問・100分なので、1問あたり5分。 科目Aは60問・90分で1問あたり1.5分です(いずれもIPAの試験区分ページに記載)。

科目入手できる問題本番のペース1周にかかる時間
科目A 1,900問 1問1.5分 約48時間
科目B 50問 1問5分 約4時間
ここが分かれ目です:問題数では科目Aが科目Bの約38倍ですが、 1問あたりの持ち時間が違うので時間に直すと約11.4倍に縮みます。 それでも、科目Bの教材は解くだけなら半日で尽きるという事実は変わりません。 「科目Bに50時間かけた」という話の46時間分は、問題を解く時間ではないということです。

※科目A側の1,900問は、IPAが公開している旧・午前問題を含めて当サイトが数えた集計です (過去問は何年分やる?)。実際には科目Aは市販の問題集でも同等の演習量を確保しやすく、 演習の総量が先に尽きるのは科目Bのほうです。

決めるのは総時間ではなく「1問に何分使うか」

教材が50問で固定なら、対策時間は「1問あたりの分数 × 50」でしか動きません。 逆に言えば、1問の使い方さえ決めれば必要時間はその場で出ます。

1問あたりやること手に入るもの50問だと
5分 本番と同じ速さで解いて丸つけするだけ 時間感覚だけ。解けなかった問題は解けないまま 約4時間
15分 解く+解説を読んで納得する 知識の穴は埋まる。初見のトレース速度は上がりにくい 約13時間
30分 解く+トレース表を紙に書いて答え合わせ どこで値を取り違えたかが分かる。ここからが実力の話 約25時間
45分 上に加えて、条件を変えて2周目に解き直す 答えを覚えた問題を、もう一度教材に戻せる 約38時間

※この所要時間はIPAの公表値ではなく、当サイトが本番のペース(1問5分)を起点に置いた試算です。 1問にかかる時間は問題の長さと慣れで上下します。

この表を使うと、世の中で言われている数字が何を前提にしていたのかまで読めます。 流通している総時間を50問で割り戻すと、こうなります。

よく言われる総時間50問で割ると1問あたり
20時間約24分
30時間約36分
50時間約60分
60時間約72分

「20〜30時間」は1問24〜36分=1周きっちりやる想定、 「50〜60時間」は1問60〜72分=2周以上まわす想定だと分かります。 どちらも間違いではなく、前提が書かれていなかっただけです。 自分がどちらを選ぶかは、次の節で決めます。

何時間積むべきかは「どこで落ちているか」で変わる

IPAは月ごとに科目A・科目B別の評価点分布(点数帯ごとの人数)を公開しています。 令和8年6月分のデータを、基準点600点に届かなかった人だけで見ると、 科目Aと科目Bでは落ち方の形がまったく違います

指標科目A科目B
基準点600点に届かなかった割合 35.2% 54.0%
そのうち500点以上(あと少し) 76.1% 54.9%
そのうち450点未満(届いていない) 9.2% 26.4%

※階級ごとの人数はIPAの公表値(令和8年6月分・2026年7月22日公表)で、割合は当サイトの集計です。 1か月分のスナップショットなので月ごとに揺れます。評価点はIRT(項目応答理論)にもとづく値で、正答数そのものではありません。

科目Aで落ちる人は76.1%が500点以上=基準点のすぐ下に固まります。 ところが科目Bは450点未満が26.4%と、下のほうまで裾が伸びています。 同じ「不合格」でも、科目Bにはあと少しの層と、まだ解けていない層が両方いるということです。

だから対策時間の答えは1つになりません。
  • 500点台まで来ているなら、足りないのは時間より精度。1問30分でトレースを書き切る使い方に切り替える(約25時間)
  • 450点未満だった/模擬でまったく手が出ないなら、50問を1周しても足りません。擬似言語の読み方から戻って、2周目の改造まで含めた使い方にする(約38時間〜)
自分の点数と合格ラインの距離は 合格点シミュレーター で確認できます。 科目A側の落ち方は 科目Aは難しい? にまとめました。

本番100分の時間配分

「対策時間」を調べている人の一部は、試験本番の時間の使い方を知りたがっています。こちらは計算が単純です。 科目Bは20問・100分なので、単純平均で1問5分

ただし全問が同じ重さではありません。IPAはサンプル問題の資料で、分野別の出題割合を 「アルゴリズムとプログラミング」が8割、「情報セキュリティ」が2割 と想定していると明記しています。20問に当てはめると アルゴリズム16問・情報セキュリティ4問が目安です。

分野目安の問数本番での扱い
情報セキュリティ 4問(20%) 科目Aの知識と重なる読解問題。先に片づけて、余った時間をアルゴリズムに回す
アルゴリズムとプログラミング 16問(80%) トレースに時間を食う。1問5分を超えたら印を付けて飛ばし、最後に戻る

※出題割合はIPAが「想定」として示している値で、個々の試験での出題数を保証するものではありません。 本番での見直し時間の取り方は当サイトの見解です。

練習で時間を計るのは直前期だけで十分です。それより前の段階で時間を計ると、 「追い切れなかったのに時間だけ守った」という一番まずい癖が付きます。 1問5分の感覚は 科目B 練習問題(オリジナル・自動採点)で試せます。

いつから始めるか(科目Aと並行させる理由)

科目Bは知識ではなく手続きを身につける科目なので、まとめて確保した時間より、 間隔をあけて何度も触った回数のほうが効きます。 50問しかないことも、まとめ取りと相性が悪い理由です。 1日で20問解いてしまうと、残りが30問になってしまいます。

  1. 科目Aの学習と並行して、週に2〜3問だけ科目Bに触る。この段階は時間を計らない
  2. 50問の半分ほどを1周目として使い切る。残りは初見の力を測るために取っておく
  3. 直前期に残しておいた問題で時間を計る。ここで初めて1問5分の判断練習をする

試験日から逆算した1日あたりの勉強時間は 勉強時間の逆算ツール で計算できます。 科目Bの分だけを別枠で確保したいときは、上の表で決めた総時間(約25時間など)を全体の目安時間から引いてください。

50問を使い切っても足りないと感じたら(必要な人だけ)

公開問題と無料の練習問題で多くの人は戦えます。そのうえで演習量をもっと積みたい人向けの、任意の選択肢です。

まとめ

  1. IPAは科目Bの勉強時間を公表していない。「20〜30時間」「50〜60時間」はどれも経験則
  2. IPAから入手できる科目Bの問題は50問。本番のペース(1問5分)で通すと約4時間で尽きる
  3. だから決めるのは総時間ではなく1問に何分使うか。1問30分なら約25時間、45分なら約38時間
  4. 流通している数字を割り戻すと、20〜30時間=1周分、50〜60時間=2周以上の想定と分かる
  5. どちらを選ぶかはいまの点数で決まる。科目Bは450点未満が26.4%と裾が長く、「あと少し」と「まだ解けていない」で必要な時間が違う
  6. 本番は20問100分=1問5分。セキュリティ4問を先に片づけ、アルゴリズム16問に時間を残す

よくある質問

科目Aと科目B、どちらを先に始めるべきですか?

科目Aを一通り終えてから科目Bへ、という順番がよく紹介されますが、科目Bは手を動かした反復でしか伸びない科目なので、早い段階から少しずつ混ぜるほうが安全です。科目Aの学習を続けながら、週に数問だけ科目Bのトレースをやる形にすると、直前期に「50問しかないのに時間が足りない」という事故を避けられます。順番の詳細は合格までのロードマップにまとめています。

科目Bだけ基準点に届かなかった場合、次回は科目Bだけ受け直せますか?

受け直せません。IPAは成績を次回以降に持ち越すことはできず、次回試験も科目A試験・科目B試験の両方を受験する必要があると案内しています。つまり科目Bのために時間を使いすぎて科目Aが落ちると、次回は両方やり直しになります。対策時間を科目Bに寄せすぎないことも判断のうちです。

対策時間に、擬似言語の文法を覚える時間は含まれますか?

含めて構いませんが、思っているほど時間はかかりません。IPAが定める擬似言語の記述形式は9種類しかなく、原文の一覧を一度通して読めば済む量です。時間がかかるのは文法の暗記ではなく、その9種類で書かれたプログラムを1行ずつ追い切る作業のほうです。

試験の直前1週間だけで科目Bを詰め込めますか?

推奨しにくい進め方です。手持ちの問題が50問しかないため、短期間で一気に回すと2周目以降が「答えを覚えているだけ」になりやすく、本番の初見問題に効きません。直前期に回すのであれば、新しい問題を解くよりも、間違えた原因の分類(読み違い・境界値・トレースのミス・時間切れ)を見直すほうが効果が出やすいです。

出典・ご注意

出題数・試験時間・分野別の出題割合・評価点分布の階級ごとの人数はIPA(情報処理推進機構)の公表値です。科目Bの公開問題50問という合計、および所要時間・割合の計算は当サイトの集計・試算であり、IPAが公表しているものではありません(2026年8月3日に数え、2026年8月16日に再確認)。年度の公開により問題数は増えます。評価点分布は令和8年6月分の1か月分で、IPAは最新分のみを掲載するため月が変わると内容も掲載先も変わります。評価点はIRT(項目応答理論)にもとづく値で正答数そのものではなく、1問あたりの所要時間は個人差が大きい目安です。合格を保証するものではありません。

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