基本情報 科目Bの過去問はどこにある?公開されているのは全50問だけ

科目Aは過去問を何百問も回せるのに、科目Bだけ問題が見つからない。 ようやく集めたサンプル問題を8〜9割解けるようにして本番に行ったら、 見たことのない形式ばかりで手が止まった——。 これは勉強不足ではなく、科目Bだけ「過去問」の前提が違うことが原因です。 まず、実際に何問手に入るのかをはっきりさせます。

結論:IPAから入手できる科目Bの問題は「50問」

IPAは科目Bの問題を全問公開していません。公開問題のページにも 「実際の試験は20問で構成されますが、そのうちの一部の問題を公開しています」と明記されています。 2026年8月3日時点でIPAから入手できるものを数えると、次のとおりです。

入手できるもの問数
科目Bのサンプル問題(2022年公開)6問
サンプル問題セット(2022年12月公開)20問
令和5年度 公開問題6問
令和6年度 公開問題6問
令和7年度 公開問題6問
令和8年度 公開問題6問
合計50問

※各年度の公開問題は、IPAが掲載している解答例(問番号の一覧)を数えたものです。今後の年度公開で増えていきます。

本番は1回で20問。つまり手持ちの全教材が本番およそ2.5回分しかない計算です。 科目Aのように「10年分を3周」といった回し方は、そもそも成立しません。

ここが誤解のもと:年度別の公開問題は「その年の試験問題まるごと」ではなく毎年6問だけです。 CBTは通年で実施され、受験者ごとに異なる問題が出題される方式なので、紙の試験のような「令和◯年度 春期の全問」は存在しません。

「8〜9割解けたのに落ちた」が起きる構造

母数が50問しかないと、繰り返すうちに解いているのか、答えを覚えているのかが自分で区別できなくなります。 これが科目Bで一番よくある落とし穴です。

対策は「問題をもっと探す」ではありません。数えるものを、問題数から出題範囲のカバー率に切り替えることです。

問題数の代わりに「出題範囲」で進捗を測る

IPAは科目Bの出題範囲とカテゴリを公表しています。50問しかないなら、 この範囲表を自分のチェックリストにするのが最も確実です。

IPAが示す範囲具体的に出てくるもの「できた」の基準
プログラムの基本要素 型・変数・配列・代入・算術/比較/論理演算・選択処理・繰返し処理・手続や関数の呼出し 条件式の穴埋めを、境界値(以上/より大きい)を取り違えずに選べる
データ構造及びアルゴリズム 再帰・スタック・キュー・木構造・グラフ・連結リスト・整列・文字列処理 連結リストの追加や再帰の展開を、図を書いて自力で追える
プログラミングの諸分野への適用 数理・データサイエンス・AIなどを題材にしたプログラム 初見の題材でも、仕様の説明文からプログラムの動きに翻訳できる
情報セキュリティの確保 マルウェア対策・バックアップ・ログ取得と監視・脆弱性管理・利用者アクセスの管理・運用状況の点検 登場人物(委託元・委託先・クラウド事業者)の責任範囲を切り分けられる

そして配分についても、IPAは「アルゴリズムとプログラミング」が8割、「情報セキュリティ」が2割を想定していると明記しています。 20問に当てはめるとアルゴリズム16問・情報セキュリティ4問が目安です。

情報セキュリティの4問は、科目Aの学習と内容が重なるので取りやすい枠です。 ここを固めておくと、勝負はアルゴリズム16問に絞れます。分野全体の位置づけは 科目Aの頻出分野、合格ラインとの距離は 合格点シミュレーターで確認できます。

50問を使い切るための解き方

問題が少ないということは、1問あたりから引き出す量を増やすしかないということです。 2周目以降は「解く」のではなく「分解する」に切り替えます。

  1. 1周目:時間を計らずトレース表を紙に書く。変数の値の変化を1行ずつ残し、正解できたかより「追い切れたか」で判定する
  2. 答えを覚えたら、問題を改造する。配列の初期値を変える/ループの回数を1つ増やす/要素番号を0始まりにしたらどうなるか、を自分で考える
  3. プログラムを説明文に戻す。「この関数は結局なにをしているか」を1文で言えるか試す。言えなければ理解ではなく暗記になっている
  4. 間違えた原因を分類する。読み違い/境界値/トレースの計算ミス/時間切れ、のどれか。分類が偏っていれば、そこが弱点
  5. 直前期だけ時間を計る。科目Bは20問100分=1問あたり5分。粘る問題と飛ばす問題の判断を練習する

※IPAの公開問題は本文をそのまま転載できないため、当サイトの練習問題はすべてオリジナルで作成しています。 形式に慣れる目的なら 科目B 練習問題 を、解き方の型は 科目Bの解き方 をどうぞ。

50問を解き切っても足りないと感じたら(必要な人だけ)

公開問題と無料の練習問題で多くの人は戦えます。そのうえで演習量をもっと積みたい人向けの、任意の選択肢です。

まとめ

  1. IPAから入手できる科目Bの問題は合計50問(サンプル6問+サンプルセット20問+年度別6問×4年度)
  2. 年度別の公開問題は毎年6問だけ。「その年の全問」は存在しない
  3. 母数が小さいので2周目以降は答えを覚えているだけになりやすい。正答率は指標にならない
  4. 数えるものを出題範囲のカバー率に切り替える。配分はアルゴリズム8割・情報セキュリティ2割(20問なら16問と4問)
  5. 2周目以降は問題を改造して使う。1問5分の感覚は直前期に確認する

よくある質問

科目Aの過去問はもっとたくさんありますか?

科目Aも「実際の試験は60問で構成されますが、そのうちの一部の問題を公開しています」とIPAが記載しており、全問公開ではありません。ただし科目Aは2023年より前の紙試験時代の午前問題と出題範囲が地続きで、知識問題という性質上、市販の問題集で同等の演習量を確保しやすいという違いがあります。演習の総量が足りなくなりやすいのは科目Bのほうです。

IPAの公開問題は自由に使ってよいのですか?

IPAは公開している試験問題について「法令に特別の定めがある場合を除き許諾や使用料は必要ありません」と案内しており、ダウンロードして利用することも問題ないとしています。ただしこれはIPAが公開したものについての話で、受験時に画面で見た非公開の問題を書き出して共有するのは別の話になります。

参考書や講座のオリジナル問題はやる意味がありますか?

演習量を増やす手段としては有効です。ただし作問者によって難易度や癖に幅があるため、「オリジナル問題で8割取れた」を合格の目安にするのは危険です。難易度の基準はIPAの公開問題側に置き、オリジナル問題は手数を稼ぐための補助と位置づけると判断を誤りにくくなります。

科目Bが今の形式になったのはいつからですか?

2023年4月の試験制度改定からです。それ以前は「午後試験」で、言語選択(Java・Pythonなど)を含む長文の記述形式でした。現在は擬似言語に一本化され、20問・100分の短問形式になっています。改定前の午後問題は形式が違うため、そのまま演習に使うと戸惑うことがあります。

出典・ご注意

本記事の問題数は2026年8月3日時点でIPA(情報処理推進機構)が公開している資料を数えたものです。今後の年度公開により増減する可能性があります。分野別の出題割合はIPAが「想定」として示している値であり、個々の試験での出題数を保証するものではありません。学習量や到達度の目安は当サイトの見解を含みます。最新の出題範囲・シラバスは必ずIPA公式でご確認ください。

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