基本情報の過去問は何年分やる? 数えたら1,900問

「過去問は5年分」「いや4年分で十分」——検索するたびに違う数字が出てきて、 どれを信じればいいのか分からない。 答えがバラつくのは、書いている人がいい加減だからではありません。 2023年の制度改定で「年度」という単位そのものが無くなったのに、 「何年分」という数え方だけが残っているからです。 まず、いま実際に何問手に入るのかを数えるところから始めます。

結論:「何年分」は"回数と問題数"に置き換えて数える

なぜ答えがバラつくのか:2023年に「年度」が消えた

基本情報は2023年4月から通年CBT方式になりました。IPAの試験区分ページにも 「CBT方式により随時実施(令和元年度まで春期・秋期、令和4年度まで上期・下期で実施)」と書かれています。 受験者ごとに異なる問題が出る方式なので、「令和◯年度の試験問題」というまとまり自体が存在しません。 「何年分」の答えが人によって違うのは、どの時代の何を数えているかが揃っていないからです。

時期試験の呼び方・形式IPAの問題公開状況
〜2019年度(令和元年度) 午前/午後。春期・秋期の年2回。午前は80問・150分 問題冊子と解答例を公開(2009年度春期以降が一覧されている)
2020〜2022年度(令和2〜4年度) CBTへの移行期。午前/午後のまま随時実施へ 非公開。「令和2年度から令和4年度までの……基本情報技術者試験(FE)の問題は非公開のため、問題、解答例等は掲載していません」と明記
2023年4月〜(現行) 科目A(60問・90分)/科目B(20問・100分)。通年CBT 一部のみ公開。「実際の試験は60問で構成されますが、そのうちの一部の問題を公開しています」
ここが一番の誤解:「最新の過去問」を探しても見つからないのは、探し方が悪いからではありません。 2020年度以降の問題は、そもそもIPAが出していないのです。 いま出回っている「◯年分」は、ほぼすべて2019年秋期以前の午前問題を指しています。

数えた:IPAから入手できる科目A向けの問題は1,900問

IPAは合計数を公表していないので、掲載ページを開いて数えました。2026年8月4日時点の内訳です。

入手できるもの問数
旧・午前試験(2009年度春期〜2019年度秋期/22回)1,760問
科目A サンプル問題セット(2022年12月公開)60問
令和5年度 公開問題20問
令和6年度 公開問題20問
令和7年度 公開問題20問
令和8年度 公開問題20問
合計1,900問

※旧・午前は11年度×春秋2回=22回に、1回あたり80問を掛けた概算です(80問・150分はIPAが公開している令和3年度上期の実施内容で確認した値。年度によって変わりうるため、正確な数は各年度の問題冊子でご確認ください)。 年度別の公開問題は解答例に載っている問番号を数えたもので、科目Aは令和5〜8年度とも一律20問でした。今後の年度公開で増えていきます。

つまり現行制度の科目Aの問題は140問しかありません。本番は60問なので、およそ2.3回分です。 演習量の大半は、どうしても旧・午前試験から借りてくることになります。 幸い科目Aは知識問題で、出題範囲も旧・午前と地続きなので、これは合理的な借り方です。

「◯年分」を時間に換算しておく

年数のまま考えていると、自分の残り日数に載せられません。回数と時間に直すと計画になります。 1問あたり、解いて解説を読むまでを3分(旧・午前は1問あたり約1.9分の配分なので、見直しを含めた目安)とすると次のとおりです。

よく言われる量回数問題数1周目の目安時間
1年分2回160問約8時間
3年分6回480問約24時間
5年分10回800問約40時間
公開分すべて22回1,760問約88時間

「5年分」は40時間の作業です。平日1時間・休日3時間なら約1か月。 ここに参考書のインプットと科目B対策が別に乗ることを考えると、 まず3年分(6回・480問)を確実に終えて、残り時間で足していくのが現実的な設計になります。

試験日から逆算して1日あたり何分必要かは 勉強時間の逆算 で出せます。 レベル別の総勉強時間の目安は 何時間で受かる? をどうぞ。

年数より大事なのは「どこから遡るか」

1,760問は多いようでいて、いちばん新しいものでも2019年10月の問題です。 古い回まで遡るほど、シラバス(出題範囲の詳細)とのズレが大きくなります。 実際、基本情報のシラバスは現在Ver.9.2(2026年1月8日掲載)で、直近の改訂では 「下請法」を削除し「中小受託取引適正化法」を追加する、といった更新が入っています。 古い過去問の答えが今は正しくない領域があるということです。

分野10年前の問題をどう扱うか理由
基礎理論・アルゴリズム・コンピュータ構成要素 そのまま使ってよい 原理が変わらない。基数変換・稼働率・キャッシュなどは問われ方の型まで安定している
データベース・ネットワーク おおむね使える。用語の世代だけ注意 基本概念は共通。ただし規格・プロトコルの具体名は入れ替わることがある
セキュリティ 新しい回を優先する 攻撃手法と対策の前提が更新される。シラバスでも継続的に項目が足されている分野
マネジメント系・ストラテジ系(とくに法務) 古い回の正解を鵜呑みにしない 法改正がそのまま答えの変更になる。上記のシラバス改訂がその実例

したがって手順は「新しい回から遡る」「法務・ストラテジ系だけは古い回の答えを参考書で確認する」の2つです。 分野ごとの優先順位は 科目Aの頻出分野、 計算問題の型は 科目Aの計算問題 に整理してあります。

現行制度の140問は「別枠」で必ず消化する

旧・午前の問題をいくら回しても確認できないものが1つあります。いまの試験の形式です。 科目Aは60問・90分で、旧・午前の80問・150分とは1問あたりの時間配分が違います。 現行の140問は演習量としては足りませんが、形式合わせの教材として価値があります。

  1. 科目Aサンプル問題セット(60問)は本番と同じ構成。1回だけ、90分を計って模試として使う
  2. 年度別の公開問題(各20問)は直前期に取っておく。4年度分あるので、4回に分けて初見の確認ができる
  3. 旧・午前の演習は分野別に潰す用途に回す。時間を計るのは現行問題のときだけでよい
  4. 解いたあとは正答数ではなく、落とした問題がどの分野かを数える。年数を消化しても分野の穴は埋まらない

科目Bは「何年分」で数えられない

ここまでは科目Aの話です。科目Bはまったく事情が違い、IPAから入手できるのは全部で50問しかありません。 本番が20問なので、手持ちの全教材が2.5回分という世界です。 「何年分」という数え方は成立しないので、別の管理が要ります。 詳しくは 科目Bの過去問は50問だけ にまとめました。

※当サイトの練習問題はすべてオリジナルです(IPAの公開問題の本文は転載していません)。 形式に慣れたい場合は 科目A 計算問題 練習科目B 練習問題 をどうぞ。

まとめ

  1. IPAが問題を公開している基本情報の試験は2019年度秋期が最後。2020〜2022年度は非公開、2023年度以降は一部のみ
  2. 「◯年分」の母集団は22回・1,760問。現行科目Aの140問を足して合計1,900問
  3. 「5年分」=10回・800問・約40時間。まずは3年分(6回・480問・約24時間)を確実に終える
  4. 遡るのは新しい回から。法務・ストラテジ系は古い回の答えを信用しない(シラバスはVer.9.2まで更新されている)
  5. 現行の140問は形式合わせと直前期の初見用に取っておく
  6. 科目A免除(午前免除)を狙う人は、修了試験の過去問71回分が別にある (午前免除試験の過去問は何年分?
  7. 科目Bは50問しかないので、同じ数え方をしない

よくある質問

過去問サイトやアプリに載っている問題は、どこから来ているのですか?

IPAが公開している試験問題です。IPAは公表している問題の使用について「法令に特別の定めがある場合を除き許諾や使用料は必要ありません」と案内しており、ダウンロードして利用することも問題ないとしています。だから同じ問題が複数のサイトに並びます。逆に、2020年度から2022年度の基本情報の問題がどのサイトにも無いのは、その期間の問題をIPAが非公開としているためです。サイト側の収録漏れではありません。

過去問は何周すればいいですか?

周回数より「初見で解く回を最後まで残せているか」で管理するほうが実態に合います。2周目以降は答えを覚えているぶん正答率が上がるため、仕上がりの判定に使えません。直近の2〜3回分は最後まで手をつけずに取っておき、直前期に初見の模試として使うと、本番に近い数字が取れます。

過去問で何割取れたら合格の目安ですか?

基本情報の採点はIRT(項目応答理論)にもとづくため、正答数がそのまま点数になりません。「過去問で何割=本番で何点」という換算はできない、というのが前提です。そのうえで目安を置くなら、初見の回で7割台を安定して超えられるかを一つのラインにするとよいでしょう。得点と基準点(各600点)の距離は合格点シミュレーターで確認できます。

科目A免除(旧・午前免除)の修了試験も、同じ過去問を使えますか?

本試験の過去問とは別物ですが、修了試験には修了試験専用の過去問があります。試験を実施するのは認定講座ですが、問題はIPAが提供しており、過去に実施された分の問題と解答をIPAが自分のサイトで公開しています。当サイトが数えたところ71回分あり、現行の60問形式だけでも14回=840問です。免除を狙う人はそちらを優先してください。詳しくは午前免除試験の過去問の記事にまとめました。

出典・ご注意

本記事の問題数は2026年8月4日時点でIPA(情報処理推進機構)が公開している資料をもとに数えたものです。旧・午前試験の総問数は「1回80問×22回」の概算で、年度により出題数が異なる可能性があります。今後の年度公開により合計は増減します。1問あたりの所要時間や「まず3年分」といった配分は当サイトの目安であり、IPAが示す基準ではありません。採点はIRT(項目応答理論)にもとづくため、過去問の正答率と本試験の評価点は一致しません。最新の出題範囲・シラバス・実施方式は必ずIPA公式でご確認ください。

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