基本情報は独学で受かる?講座を検討する理由は「科目Bだけ」

「独学で大丈夫?それとも講座を取るべき?」――最初に迷うポイントです。 この判断は好みの問題に見えて、実は手に入る問題数を数えると答えがほぼ決まります。 結論から言うと、科目Aは独学で足ります。迷う価値があるのは科目Bだけです。

結論:まず独学、足りない所だけ補強

当サイトの取材では、IT未経験の受験者が受験料以外は一切お金をかけず、過去問道場中心の独学で 合格ラインまであと45点まで到達していました(その体験談)。 つまり、いきなり高額な講座を契約しなくても、無料教材でかなり戦えるということです。

おすすめは、まず独学で始めて、自分の弱点が見えてから、その部分だけ書籍や講座で補強する順番。最初から全部を講座に頼る必要はありません。

数えた:科目Aは1,900問、科目Bは50問

「独学は教材が足りない」と言われますが、実際に数えると足りないのは科目Bだけです。 IPAから入手できる問題数を科目別に並べると、非対称がはっきり出ます。

科目A科目B
本番の出題数60問・90分20問・100分
IPAから入手できる問題1,900問50問
本番の何回分か約31回分約2.5回分
独学での演習量十分に確保できる構造的に足りない

※問数はIPAの公表値ではなく、当サイトが公開問題と解答例を数えた集計です。数え方は 過去問は何年分やる?(1,900問)科目Bの過去問は50問だけに書いてあります。

差は約38倍。科目Aは無料の過去問だけで本番31回分を回せるので、 ここにお金を払う理由は基本的にありません。 一方で科目Bは、いくら払っても本試験形式の問題が50問より増えるわけではない (講座のオリジナル問題は増えますが、難易度の基準にはできません)。

つまり「独学か講座か」の分岐点は科目Bにしかない、というのがこの記事の結論です。 科目Aで迷っているなら、迷わず独学で進めてください。

3つの選択肢を比較する

独学(無料教材)市販書籍通信講座
費用の目安教材費0円(受験料7,500円のみ)+書籍代(数千円)+数千〜数万円
強み低コスト・自分のペース体系的なインプット科目Bの解き方まで体系化・計画が組まれている
弱み計画と継続を自分で管理疑問を自己解決コスト・受け身になりがち
科目Aへの効果十分入口が楽になる過剰になりやすい
科目Bへの効果問題数が足りない解説は増えるが問題は増えにくいここが唯一の主戦場
向く人自分でペースを作れる人まず全体像をつかみたい人時間を買いたい/科目Bが苦手な人

※どの選択肢でも受験手数料7,500円は共通でかかります(内訳は 申し込みと受験料)。書籍代・受講料は執筆時点の一般的な目安なので、 実際の価格・内容は各サービスの公式情報をご確認ください。

⚠️ そもそも「選べる講座」は多くない

独学と講座が対等な二択として並んでいる、という前提自体を疑ったほうがいいケースがあります。 とくに科目A免除(旧・午前免除)を目的に講座を探す場合です。

当サイトでIPAが公開している認定免除対象講座の一覧を数えたところ、開設者は274件ありました。 ところが内訳を見ると、株式会社などの企業はそのうち20件だけで、 残りの9割以上は専門学校・高校・大学・職業訓練校が在学生向けに開設しているものでした。

つまりこの制度はもともと在学生向けの設計で、社会人が個人で申し込める講座はごく少数です。 さらにIPAは講座の紹介をしておらず、利用したい個人は講座開設者へ直接問い合わせるよう案内しています。 詳しくは → 科目A免除:社会人が使える講座は少ない

※274件・うち企業20件は当サイトが2026年8月現在の一覧を数えた集計で、IPAの公表値ではありません。 一覧は随時更新され、各講座の認定にも期限があります。

独学が向く人・講座が向く人

独学が向く人

講座(または書籍)が向く人

逆に「科目Aの点が伸びない」を理由に講座を検討するのは、お金の使いどころとしては筋がよくありません。 科目Aは1,900問を無料で回せるので、伸びない原因はほぼ演習量か復習のしかたです。 合格ラインまでの距離は 合格点シミュレーター で先に確認してください。

「続ける仕組み」も選ぶ基準になる

取材した合格者は「意思ではダメだった。勉強せざるを得ない環境を作った」と語っていました。 独学でこの"仕組み化"が自分で作れるかは、正直な自己評価ポイントです。作れないと感じるなら、強制力のある講座が向いている可能性があります。

なお、これはお金を払うこと自体に強制力があるという話でもあります。 教材の質より「払ったから続ける」が効くタイプなら、それは十分に合理的な理由です。

講座を申し込む前に確認する5項目

講座を検討すると決めたら、価格やキャンペーンより先に、この5つを公式サイトで確認してください。 ここを飛ばすと「払ったのに目的を果たせない」が起きます。

  1. 科目Bの演習が何問あるか。この記事の結論どおり、講座に払う価値は基本的にここにあります。「動画◯時間」ではなく問題数で見る
  2. 科目A免除が目的なら、IPAの認定講座一覧に事業者名があるか。無ければ修了しても免除されません(確認のしかた
  3. 個人で受講できるか。法人・在学生限定の講座があります
  4. 受講期限・サポート期間。基本情報は通年で受験できるので、受験日を後ろにずらしたときに期限が切れないか
  5. 2023年4月の制度改定に対応しているか。旧・午後試験(言語選択のある長文形式)向けの教材が残っていることがあります

費用を回収できるか

講座代を「回収できるか」で考えるなら、受験前に社内制度を調べるほうが早いことがあります。 受験料や講座費を会社が負担する場合と、資格手当として現金を受け取る場合とでは、 税の扱いが変わります。金額の相場と、会社への確認のしかたは 資格手当はいくらもらえる? にまとめました。

科目Bだけ伸び悩む人への部分補強

全部を講座にする必要はありません。この記事で見たとおり、お金を払う価値があるのは科目Bに絞られます。 ここだけをピンポイントで補強する選択肢を挙げます(必要な人だけ)。

まとめ

  1. IPAから入手できる問題は科目A 1,900問/科目B 50問。約38倍の差がある
  2. 科目Aは無料教材で本番31回分を回せる=ここにお金を払う理由はほぼ無い
  3. 迷う価値があるのは科目Bだけ。判断基準は「解説の量が要るかどうか」
  4. 科目A免除を狙う場合、個人で受けられる認定講座は274件中ごく一部。選択肢は多くない
  5. 申し込む前に5項目(科目Bの問題数/認定の有無/個人可否/期限/制度改定対応)を確認する

よくある質問

結局、独学と通信講座どっちがいいですか?

まずは独学+無料教材で始めて問題ありません。取材でも、無料教材中心の独学で合格ラインの一歩手前まで到達した例があります。そのうえで「科目Bの読解だけが伸びない」「独学の計画づくりが苦手」と感じたら、その部分だけ書籍や講座で補強するのが費用対効果の高い選び方です。

独学だと落ちやすいですか?

そんなことはありません。当サイトの取材では、独学の不合格者も「独学だから」ではなく、直前期の過ごし方や科目Bの読解という改善可能な点でつまずいていました。独学かどうかより、中身の運用が合否を分けます。

通信講座は誰にでも必要ですか?

必須ではありません。時間をお金で買いたい人、独学の計画・モチベーション維持が苦手な人、科目Bを体系的に学びたい人には向きます。逆に、自分でペースを作れて過去問中心で進められる人は独学で十分なことが多いです。

会社が受験を勧めてきました。費用は出してもらえますか?

会社によります。ただ、受験料や講座費を会社が負担する場合は給与課税されないことがある一方、資格手当として現金でもらうと課税対象になります。合格してからではなく申し込む前に、社内の研修制度や受験料補助を確認しておくと選択肢が増えます。

独学で使った教材は、次の資格にも使い回せますか?

科目A(旧・午前)の範囲は応用情報技術者試験と地続きなので、知識部分はそのまま土台になります。一方で科目Bの擬似言語は基本情報と応用情報で記述形式が共通なので、ここで作ったトレースの型も引き継げます。独学で身についた「自分で調べて進める型」自体が、次の試験でいちばん効く資産です。

出典・ご注意

問題数(科目A 1,900問・科目B 50問)と認定講座の件数(274件・うち企業20件)はIPAの公表値ではなく、当サイトが公開資料を数えた集計です。公開問題も認定講座一覧も随時更新されるため件数は変わります。受験手数料はIPAが公表している金額(政令で定められており改定されることがあります)。書籍代・受講料は執筆時点の一般的な目安であり、当サイトの見解を含みます。実際の価格・内容・受講条件は各サービスの公式情報を、受験手数料と免除制度はIPA公式の最新情報をご確認ください。

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